皇紀2602年(昭和17年)に日本管楽器から海軍軍楽隊へ納入されたトロンボーン。海軍では時化や戦闘により格納された楽器に損傷のない様、木でできたハードケースを使用していた。石突部にバネが入っており、床に押すだけで唾抜きが出来る。
元々はF.Bessonを参考に民間向けに作られていた物だが、事変の影響で輸入が難しくなり昭和11年頃より海軍、陸軍でも使用される様になった。
上、MILLEREAU製。 中、民間用。 下、海軍用。
1920年頃のF.Besson製を参考にしたと思われ、昭和10年代のトロンボーンにしてはベルが小さい。ニッカン製で同時期の高級品と比べても小さいので、やはり古い設計のままらしい。
上、海軍軍楽隊。 下、陸軍軍楽隊。 数少ない陸海軍共通装備だが、陸軍の物には星、海軍の物には桜に錨の彫刻がある。