上は比較用のフランス製。下は幕末の国産品。幕末に西洋式の調練と共に信号喇叭も伝来した。風雲急を告げる時代、有事の際に一々輸入したのでは戦争はできないので国産品が作られる様になった。当時フランス、イギリス、オランダ、プロイセンなど様々な国を参考に各藩軍備を整えており、例えば幕府軍はフランス式で、大野屋五左衛門と言う御用武器商人からフランス式のラッパが納入されていた。このラッパ、独特な形状をしているが、大勢の兵士に号令を伝える事が目的なので音程は二の次、B♭調のフランス式喇叭を手本に作ったものの少し小型でC調となっている。ベル形状も洗練されておらず可愛らしい。
ベルに1つ、仙と刻印されてある。このラッパを製造した金属加工の職人の印と思われる。